Google。それは僕らの生活をもはや支配していると言ってもサービスで、インフラの一部と言っても過言ではないでしょう。
特に僕のブログを読むような人達はリテラシーが高い方々が多いと思うので、多分Googleの利用率がほぼ100%かと思われます。
そんなGoogleですが、Workspaceという、法人向けの有料プランがあります。
昔はGsuiteと呼ばれていた、権限の管理や長時間のMeet機能・非常に大きなGoogleドライブの枠など、ビジネスに最適な機能がてんこ盛りなので、スタートアップ界隈の方々が多く利用されている印象です。
僕は法人ではないので利用していなかったのですが、とある機能を使いたくて検討していた所、実は個人でもこのWorkspaceの機能を使えることが判明しました。
それがWorkspace Individualという機能で、どうやら法人用に使える機能の一部が使えるようになるとのことで申し込みをしてみたのですが、非常に痛い目を見ました。
結論、僕と同じような使い方をしている方には、絶っっっっっっっっっ対にこのプランオススメできません。
なので、備忘録と注意喚起も兼ねて、それが何故なのかを今から書いていきたいと思います。
前提
Google WorkSpaceとは?
先程も軽く述べましたが、Google Workspaceは法人向けの有料プランで、無料プランでは使えないような機能が利用可能となっています。
具体的には
- Google Meetの会議の長さの上限撤廃
- Googleカレンダーで、自分の空きカレンダーを相手に共有できるサービスがある
- 容量が一人あたり2TBまで持てる(昔僕が使ってた時ベース)
- メーリングリストが作れる
- 権限を細かく付与することが出来る
- Google Apps Scriptの無料枠が広くなる
などの機能が盛り込まれていて、ビジネスで使うためによく考えられているサービスです。
ちなみに僕が昔申し込んでいた時はGSuitという名前でした。個人的には昔の呼び名のほうが好きでしたね。
Google Workspace Individualとは?
そして件のWorkspace Individualとは、Workspaceの個人版のプランです。
法人版よりも使える機能がかなり限定されており、
- ストレージ: 1TBまで使える
- カレンダーの予約機能が使える
- MeetがWorkspaceどうよう無制限
などが無料プランと比べて勝っているところです。
僕はこのカレンダーの予約機能が使ってみたかったので、Google Workspace Individualを申し込んでみました。
ここまでの説明だとそんなにおかしい点は無い
ここまでだと
と思われるかもしれません。僕も痛い目を見るまではそう思ってました。
Google Apps Scriptを実行するまでは、ね。
Workspace IndividualはGASが使えない
業務効率化のため、GAS(Google Apps Script)を利用しているよ!って人がどのくらいいるでしょうか。
多分全体の1%にも満たないとは思うのですが、私はゴリゴリに利用していて、これのお陰で業務時間を半分ぐらいに出来てるのでは?ってぐらいに活用しています。
ですが、Workspace Individualに加入すると、GASの利用が強烈に制限されてしまいます。
そもそもGASとは?
GASとはエクセルで言うVBAみたいなもので、スプレッドシートとかGmailとかのGoogle製品操作を自動化してくれるプログラムになります。
使うにはプログラミングの知識が必要ですが、これが使えると
- Gmailから添付ファイルをダウンロードしてきてフォルダに格納
- スプレッドシートから情報を抜き出して、整形して違うスプレッドシートに吐き出す
- Webサイトをスクレイピングして情報を定期的に取得
- APIを叩いて情報を取得・送信を行う
などの操作を簡単にすることができます。めちゃくちゃ便利で、一回覚えたらGoogle製品を使っている限りは確実に役立つ神ツールです。
ちなみに漠然と「プログラミングやりたい!」って思ってる学生や社会人はまずGASを勉強してみることをオススメします。
IndividualはGASが実行できなくなる
そして本題ですが、Workspace Individualに加入すると、GASの利用ができなくなります。
スクリプトを実行しようとするとこの画面が出てきて、GASがブロックされます。通常だとここからGASの実行を許可しますか?という画面が出てくるのですが、それすら出てやがりません。ふざけすぎています。
昨日まで使えていた自動化ツールが、いつの間にか動かなくなっちゃうのです。これはまじでゴミすぎてびっくりしました。
Googleアカウントの操作が出来なくなるらしい
GASが動かなくなると言っても動くものもあって、
- APIを叩く→◯
- スクレイピング→◯
- Gmailの操作→×
- スプレッドシートの操作→×
- Googleドキュメントの操作→×
- Googleカレンダーの操作→×
という感じになっています。
つまるところ、Google Workspace Individualに加入すると、”自分のGoogleアカウントに紐づく何か”を操作することが一律できなくなります。
ちなみにトリガーで時間指定を元々設定していたスクリプトはちゃんと動くようです。
推察するに、セキュリティの問題
これは完全に推測ですが、多分これはセキュリティの問題です。
Google Workspaceは細かくセキュリティ設定をすることができて、GASの実行を認めるか?といった点も決定することができます。
セキュリティをガチガチにしたいならこれをOFFにすると良いので、多分Google Workspace IndividualはGASの実行を認めない設定になっているのでしょう。
なのでそこの設定をONにしてあげればこの問題は解決するはず。……なのですが。
セキュリティの管理画面にすらアクセスできない
ただし、Google Workspace Individualにはセキュリティ設定の管理画面が存在しません。
法人向けプランのWorkspaceだとその管理画面があるのですが、劣化版であるIndividualにはその管理画面が存在せず、セキュリティの設定を弄るどころか見ることすらできません。
つまり、詰みです。勝手に設定変えた挙げ句、設定を弄らせることはしません!というのがGoogle様のやり口なのです。中々えげつないですね。
対処法は無いので、新しくアカウントを作るしか無い
つまり、この問題は解決できません。
なのでもしGASを使いたいなら、新しくアカウントを作るしか方法はありません。
私もそうしましたし、他の人もそうしているようです。間違ってアップグレードしてしまった人はもう諦めましょう。
GASを利用している人はアップグレードNG
GASを利用している方は絶対にアップグレードしてはなりません。
したら最後、これ終わりますからね。お兄さんとの約束だぞ☆
最後にGoogleさんに苦言
本当に素晴らしいサービスをGoogleさんは提供してくれていますし、Googleさんが居なくなったら生活が覚束なくなるレベルでその恩恵に教授しているのは事実です。
しかしながら、Googleさんはサポートがあまりに弱すぎる。
今回の件もサポートの方に何度も連絡したのですが、
- 「部署が違うのでわかりません」
- 「フォーラムで質問してみてください」
との回答しか返ってこず、事態を解決するどころか、サポートに連絡したのは時間の無駄でしかありませんでした。
今Google Homeでやり取りしているサポートの方もそうですが、
「日本のGoogleのサポートチームは存在価値があるのか?」
と疑問を呈したくなってしまうほどには、Googleのサポートは役に立ちません。外資の大企業故に仕方ないと言えば仕方ないのでしょうが、問題が起こった時にGoogleさんには本当に毎回がっかりさせられます。
この意見が届くことはないでしょうし、届いたところで日本の担当者にそれを変える権限はないはずなので、無駄な祈りなのかもしれません。
ですが、水が石を穿つように20人程度の国政政党が日本の税金の議論を活発としたように、小さなものの一言が大局を動かす可能性にかけて、この記事を締めさせていただきたいと思います。