小説

【書評】ちょっと前の話題作、「笑いのカイブツ」読んでみた

何かに死ぬほど打ち込んだ経験を皆さまはお持ちでしょうか。

ある人は部活、ある人は勉強、ある人はんなもの無いと答えるかもしれません。

ちなみに私は勉強です。早稲田に合格するために一日16時間は勉強してました。

死ぬほど打ち込むというのはものすごい難しいことで、多分99%の方はそんな経験ないと思います。

99%でも少ないかもしれません。かく言う私も、文字通り死ぬほど何かに打ち込んだ人からすれば甘いと言われてしまうかもしれません。

今回は、文字通り死ぬほど、お笑いという修羅の道に人生を注ぎ込んだ男が書き上げた一冊についてレビューしていこうと思います。

笑いのカイブツとは

笑いのカイブツとは「ツチヤタカユキ」という現在放送作家をされている方が書いた一冊の随筆です。

笑いに生きた、狂った男の人生が語られています

2015年12月14日から2016年10月27日までcakesというサイトで連載されていた見たいです。

それが書籍化して、2017年の3月に電子化が出ていたみたいなので私も手にしてみました。

ちなみにamazonのKindle Unlimitedというサービスに加入するとこの本無料で読めます。

電子書籍についての解説はこちらに乗せておいたので、興味があったら一読ください。

https://www.nicokira.com/reading2/

Amazonでも☆4.4の評価を得ているみたいです。

☆4超えた本は大体名作なので、これもその部類に入るでしょう。

カスタマーレビューって一定数を超えると何故かアンチが沸くので、そのアンチがわいていても☆4以上をとっているのは中々ないことですね。

笑いのカイブツ [ ツチヤ タカユキ ]

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本の著者「ツチヤタカユキ」とは

『オードリーのオールナイトニッポン』をよく聞かれていた方はこの人の名前を知っている可能性が高いみたいです。

私は残念ながらそれのリスナーではなかったのですが、ツチヤタカユキさんはオードリーのオールナイトニッポンに何度もハガキを出していたのだとか。

このツチヤタカユキという人を一言で表現すると、

『笑い狂い』

といったところでしょうか。本人はタイトル通り「笑いのカイブツ」と表現していますね。

まさに笑いに生きた男。

一日にボケを2000個も3000個も生産しながら生きてきたそうです。

お笑いにかける情熱以外はすべて消し去って笑いに狂った真の狂人。それがツチヤタカユキ。

27歳無職童貞など、ダメな男の要素を煮沸して濾過したぐらいのダメさですが、この人の生涯には多少惹かれるものがあります。

ボケを一日2000個生産!

この人にはハガキ職人という異名があります。

なんざそら?って感じですが、つまりはテレビの大喜利に自分のボケを投稿して、それが読まれるまでハガキを書き続けたんですね。

思い立った当時はその番組への投稿が一日30万件とかあったらしいです。

30万件の中から自分の投稿が読まれる確率なんて、もう絶望的ですね。

ジャンボ宝くじの三等が当たる確率が10万分の1らしいので、絶対に無理と言っても過言ではないですね。

しかしこの人は一日500個ボケを量産することから始め、自分のボケのレベルを上げ、読まれるように努力します。

そして上出来なボケを投稿するわけです。これが、この人がハガキ職人と呼ばれる所以ですね。

ボケを量産しすぎて資金不足に。ホストクラブで食いつなぐ

狂人が狂人たるゆえん。それは普通の人にできないことをやってのけてしまうから狂人なわけです。

ボケなんて生活の片手間に生み出せばいいものを、なんとこの人は食生活まで切り詰めてボケを量産します。

本末転倒を体現したかのような生活。

アルバイト中もボケを量産し、家では当然机に向かってボケを量産し、またアルバイトに向ってもボケを量産し……ってことを延々と続けてるんですね。

そのせいでアルバイトは首になり。

しかし年齢が年齢になってしまったことや、金があまりに無いことからホストクラブにまで手を出します

しかしそのすべてで一週間と持たずにクビ。

むしろ首になっても僅かばかりの賃金が貰えるということを利用したりもする屑っぷりです。

しかしそれも全てお笑いのため。お笑いに生きるために、ボケ続けるためにやっている。

人間性ははっきり言ってごみくずだけれども、とにかくお笑いに生き続ける。

そんな人物がツチヤタカユキです。

まあ、阿呆ですね。

吉本に入るために東京へ。しかしながら……

そんな彼ですが、当然ながらお笑いの世界に直接手を出したことがあります。

吉本の脚本作家として努めたいと思い、東京に出たことがあります。

しかしながら、彼はそこで失敗します。

吉本の劇場作家はお笑いにひたむきであるという、きれいな感情のみで生きていける世界ではありませんでした。

その世界は上の人に媚びを売った人が成功する世界で、実力があっても上に気に入られなければ生きていけない世界だったそうです。

ぶっちゃけフリーランスとか以外は大体そんな感じであるとは思いますが、まあそれは置いておきましょう。

なので人間関係を築くことが苦手なこの人は一瞬で周りの先輩に嫌われ。

あれよあれよという間に首になります。

そしてその後ホストで食いつないで……とかいう話になっていくわけです。

笑いに狂った純真の人間を描いた小説「笑いのカイブツ」

最後に要約になりますが、この本はそんなツチヤタカユキの悲惨な人生が綴られています。

真に笑いに純粋で、真に笑いが大好きな人間、それがツチヤタカユキです。

でもあまりに純粋すぎて、清濁併せ呑むことが出来ずに落ちるところまで落ちてしまった、それがこの男であり、この本です。

正直、暗いです。終始自分のどす黒い内面を語っているだけだし、終始不満たらたらです。

それに、僕は正直面白味を感じませんでした。

確かに読み始めれば惹かれるものはありました。

でも構成は時系列順じゃないので読みにくく、そしてやっぱり暗いので凄い読んでて暗くなります。

ただ、私の友人はこの本を高く評価していました。

それにamazonでも高評価なので、多分面白いんだとは思います。

是非、読んでみてください。そして感想を聞かせてもらえたりしたら嬉しいです。

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