「転生者の私に挑んでくる無謀で有望な少女の話」というラノベをご存知でしょうか?
一件ぱっと見完全になろう系の作品で、「俺最強やってハーレム作って無双する」みたいなくっそつまらない作品を想像するようなタイトルですよね。
まぁ実際「小説家になろう」発祥の作品なので、確かになろう系ではあるんですが、この作品は一般に言われるなろう系の作品とは少々趣が異なります。
この作品は
「人間の持つ”才能”という壁に苦しみ、もがき、足掻こうとした人間の苦悩」
という切実でしかし我々の前に横たわる残酷な壁をテーマとして描いた作品なのです。
テーマが明確であるのでオチも読みやすく、展開も読みやすいのは読みやすいんですが、それでも尚この作品は僕の胸を抉るようなそんな感覚を与えてくれました。
少々胸が苦しくなるテーマの作品ですが、ご紹介していこうと思います。
転生者の私に挑んでくる無謀で有望な少女の話
アーニャは成績はトップクラスで学校中の憧れの的であり、将来有望な少女である。
しかし彼女にはどうしても敵わないライバルがいた。
幼馴染のジーク。
彼とアーニャは7歳の学習塾からの付き合いだった。
冬の寒い日に入塾してきたジークをアーニャは冷たくあしらうが、
テストで自分より良い点数を取られ、悔しがって大声をあげる。
それからというもの、アーニャはジークに何度も勝負を挑むようになる。
待ち伏せをしたり、追い回したり、睨んだり、からかったり、宣戦布告したり。
そうやって彼女と彼は長い時間を一緒に過ごす様になるのだが……。
天才的な才能を持つ少女と、凡人ではあるけれども”転生をしている”という圧倒的有利な能力を持って生まれた主人公の物語。
転生という特典により神童と呼ばれるほどの優秀さを誇っていた主人公。テストは常に100点で、将来を誰よりも有望視されていた。
しかしながらそんな主人公に張り合う存在が現れる。それがアーニャ。
転生という”魔法”によるものではなく、自身の圧倒的な”才能”と努力により転生者である主人公と張り合うことの出来る少女。
二人で切磋琢磨し、競い合う日々。転生という魔法と、それに劣らぬ努力でアーニャに勝ち続けていく主人公。
しかしながら、そのメッキが剥がれる日は着々と近づいていて―――
この作品の見所
何といってもやはり”才能”という壁に押しつぶされる凡才の姿を見てほしいですね。
ぶっちゃけ主人公って凄い優秀なんですよ。
なんの努力もせずに「あー。だめだ天才になんて勝てねぇよwww」って言っているタイプでは無く、
自らに課すことの出来る努力を最大限に行ったうえで天才に立ち向かう秀才タイプです。
人並みの才能を持っている人間が、転生という”魔法”に驕ることなく毎日欠かさず考え、悩み、努力し続け。
隣にあろうと、勝ろうともがき苦しみ。
そして、天才に負ける。
そんな、残酷で切な姿を、見ていただきたい。
一応この作品はなろうでも見ることができるけど……
この作品はもともと小説家になろうから出てきた作品なので、小説家になろうで見ることが可能です。
実はこれ連載作品とかではなく、短編で唐突に一話掲載されたものでした。
なので無料で見れますし、大体の流れはこの短編を読めばわかるんですが……。
個人的には是非小説版にて読んでほしい。
その苦悩にたどり着くまでの苦悩が深堀されていて、感情移入が強くなっているので、是非読むなら小説版で。
短編の続編も入ってますし、お得です。
※ちなみにこの文中で何度か使っている「なろう作品」という言葉の解説が欲しい方はこちらをどうぞ。
https://www.rublewest-506.com/20181125narou/
まとめ
才能の壁って実際に僕も感じたことがありますし、多分皆さんもあるんじゃないかと思います。
人間として生きている以上、才能に悩まない人なんて居ないでしょう。そして諦めようと思うことがあるかと思います。
一見逆のことを言っているかもしれませんが、この作品は”自分には才能がないのでは……?”
と感じている人にこそ見て欲しいと思います。
多分、そんな人がこれを見たらこう思えるかもしれないからです。
「才能云々依然に、もっと努力しなければ」と。
さて、今回の記事はここら辺にしておきましょう。