「米国利上げが経済に与える影響」
「FRB、○○月に利上げ確定か!」
「米利上げ○○月に確定」
等皆さん、こんな言葉を目にしたことがないでしょうか?
日経新聞やらニュースサイトやらに頻繁に現れるワードで、しかも大体トップの方を飾ってるワードですね。
大事なのかなーと思って内容を読んでみても、
としかならず、結局何も理解せずにスルーしてしまう。そんな経験ありません?
ちなみに私は頻繁にありました。だってよくわかんねぇもんこれ。
しかし実は米国利上げは日本経済にすっげー重要なインパクトがあります。
とてつもなく大事な内容なので、「米国の利上げってなんなのよ?」ってところをこの機会にぜひしっかり理解しておきましょう!
では今回も日経解説、行っていきたいと思います!
前回記事
https://www.nicokira.com/20181220nikkei/
まず初めに:米国の利上げって、何?
利上げとは、米国の政策金利を上あげること
まず初めに、利上げとは何でしょうか。
結論から言うと利上げとは、
米国の中央銀行(FRB)が政策金利※を引き上げること
を利上げと言います。
単純な言葉ですが、正直これだけだと「なるほど。分からん」状態で何が何だかよくわかんないですよね?
米国の利上げを理解するためには
①政策金利とは何か
と
②銀行も借金をすることがある
という2つの事柄をまず理解する必要があります。
①政策金利とは何か
銀行が中央銀行(日本なら日銀。アメリカならFRB)からお金を借りることはさっき勉強しました。
では、日銀はただでお金を貸すのでしょうか?
そんなわけがありません。ちゃんと利子を付けてお金を貸すのです。
では、その利子は何を元に決まるのでしょうか?
それは、政策金利を元にして決まるのです。
で、ちょっと厳密には定義とは違くなるんですが、僕が政策金利を分かりやすく定義したいと思います。
政策金利を簡単に定義すると、
中央銀行が一般の銀行にお金を貸し付ける際の基準となる金利のこと
です。もうこれで暗記して下さい。
ちなみにこれが政策金利の正確な定義です。
中央銀行(日本では日本銀行)が金融政策のねらいを示すために設定する短期金利。日本では無担保コールレート翌日物の誘導目標金利(O/N Call Rate Target)のこと。
なんのこっちゃ?って感じですよね。
なので「政策金利=中央銀行が一般の銀行にお金を貸し付ける際の基準となる金利」と思ってください。
②銀行は中央銀行から借金をする
上の政策金利で
「銀行もお金を借りる!」
とさんざん言っていましたが、銀行はどうしてお金を借りるのでしょう?
銀行って普通、お金を貸す側ですよね?なのに、お金を借りる……。
なんか矛盾してません?
それを、以下の4ステップで解説してきます。
※以下は全て日本をモデルに話しますが、アメリカも全く同じです。
1.銀行も中央銀行に「口座」を持っている
まず始めに、
実は日本に存在するすべての銀行は、日銀(中央銀行)に預金口座を持っている
ということを理解してください。
みずほやUFJのようなメガや、地方銀行や信用金庫も日銀に口座を持っていて、一定金額のお金を日銀に預けている訳ですね。
そして、これは米国でも同様です。米国の銀行も、中央銀行に預金口座をもっています。
そして、銀行間のお金のやり取りっていうのは日銀にある預金を使って行われます。
とりあえずはここまでを覚えてあげてください。
※日本の中央銀行=日本銀行(日銀)
2.銀行は自分の預金の一部を日銀に預けている
銀行は日銀に口座を持っているといいましたが、預金の全部を預けている訳ではございません。
日銀が指定する一部の金額を預けている訳です。
ここを語り過ぎると長くなるので割愛しますが、
日銀が銀行に「銀行共。俺らに絶対にこれだけは預けておけ!」と要求する金額があります。
準備預金というのですが、経済の安定のためにはこれは必須なことで、
銀行がその要求を達成出来ない場合、日銀から多額の罰金を取られます。
3.でも、お金が足りなくなることがある
でも、日銀に預けているお金が足りなくなることがあります。
例えばみずほ→三菱UFJへの振込の依頼がめちゃめちゃ来たとしますよね?
そしたらみずほが日銀に預けているお金はゴリゴリ減っていくわけです。
それが続くとどうなるか。
日銀が「この額は預金に入れておいて!」って言ってたお金をみずほ銀行は確保できなくなるわけです。
そうなるとやばいです。罰金です。
なので罰金を回避してお金を日銀の口座にいれるために、銀行は日銀から借金をすることがあるのです。
4.銀行は日銀に借金をすることがある
ちょっと難しくなったかもしれませんが、ここが重要です。
銀行は、日銀から借金をします。借金をするということを必ず理解してください。
銀行が日銀にお金を預けるには、日銀の窓口に大量のお札を持っていく必要があるので、かーなーりー時間がかかります。
なので「急遽1億円足りない!」なんてなっても、すぐに日銀に持っていくことは不可能な訳です。
なので、日銀から借金をするんですね。それならデータ上でやり取りができるので、断然早く、楽な訳です。
そうして銀行の日銀にある預金口座を一杯にして、日銀からの罰金を防ぐわけです。
本当は他にも色々あるんですが、この借金に関しては非常に難しいです。
ですが、ここまで知ってれば日常を生きる上では充分凄いです。なのでここに関してはこの程度の理解で充分です。
まとめると
銀行は、
- 日銀に預金をもってて(当座預金っていいます)
- そこには一定額を預けなきゃいけなくて
- でも他行に振り込むのとかで残高が足りなくなるから
- 日銀からお金を借りる
という訳です。
そして、米国でも同じことが行われています。
では、以上を踏まえた上で本題に入りましょう。
米国の利上げって結局何を上げてるの?
- 政策金利とは何か
- 銀行は日銀(中央銀行)から借金をする
ということについて理解したところで話は冒頭に戻ります。
そう、米国の利上げとは、
米国の中央銀行(FRB)が政策金利を引き上げること
つまりは
アメリカ版の日銀が、一般の銀行に貸し付ける金利の基準を引き上げること
を差すのです!
これで一気に「米国の利上げの意味」を理解できたのではないでしょうか?
では利上げが一体何をもたらすのか
景気の加熱の抑制をもたらす
この利上げの効果に関しては本当に多々あります。
なので全部を語ることは避けますが、ほぼ確実に言えることとして、
銀行の貸し出しの金利が上がりやすくなります。
何故かって言うと、政策金利が上がるってことは、銀行が中央銀行からお金を調達するコストが増えますよね?
コストが増えたなら、その分稼がなきゃ財務が悪くなります。
そうなるとそのコストをどこで補います?
そう、融資の金利を上げることで補います。
例えば新たに借りる住宅ローンの金利が上がったり、アパートローンの金利が上がってみたりなど。
そうなると一般企業の資金調達にも影響が出て、設備投資に消極的になります。
そしてその結果、消費が抑えられ、景気の加速は終息へと向かっていく。
これが大きな利上げの効果なのです。
まとめ
今回の内容を簡単にまとめると、
- 米国の利上げとは政策金利を引き上げることである
そして政策金利とは
- 中央銀行が銀行にお金を貸す際に参考にしている指標である
というものになります。
「米国の利上げとは政策金利を上げることだ!」
と解説している記事は大量にありましたが、残念ながら中央銀行の預金のことや、銀行が中央銀行から借り入れをしていること等を解説してある記事はなかったので、今回まとめてみました!
結構情報量は多いですが、この記事一つで米国の利上げを理解できるようにしてあるので、是非参考にしてみてください!
日経新聞は月々4200円で読める!
日経新聞はスマホのアプリを使って、月々4200円程で読めます!
4200円と聞くと少々高くは感じますが、飲み会一回我慢すれば簡単に払える額ですし、
何より日経新聞は、今後社会で金持ちになるつもりなら必ず必要な教養の塊です。
将来の自分のために今に払う4200円は、絶対に高くなんてありません!
本に払う自己投資と、新聞に払う自己投資は積極的に行うべきです!
しかも!
このリンクから申し込んでもらえれば何と初月無料で購読することが可能です!
他人に負けない社会人・学生へと自分をステップアップさせるため、もしまだ購読していない人は必ず購入しましょう!
前回記事
https://www.nicokira.com/20181220nikkei/
日経解説まとめ記事
https://www.nicokira.com/nikkeimatome/