資金調達という言葉は聞き覚えがあるかと思います。
新聞を読んでいるとしょっちゅう出てくる単語で、「○○株式会社が○○億円資金調達」みたいな見出しは頻繁に見ますよね。
でも皆さん。
この資金調達って結構奥が深くて、色々種類があるの知ってます?
今回は、意外と奥深く、戦略の宝庫である「資金調達」について分かりやすく解説していこうと思います。
前回記事
https://www.nicokira.com/20191219softbank/
資金調達とは
資金調達(しきんちょうたつ、英: financing)は、企業・組織などが事業に必要な資金を調達することをいう。
wikiより引用
資金調達の定義自体は問題ないですよね。
企業が足りない金を外部から調達することを資金調達と言います。
まぁこれは非常に単純ですね。
企業が資金調達をするタイミング
企業が資金調達をするのはいつか。
このタイミングも正直かなり色々あるので一概には言えないんですが、大きく分ければ3つです。
それが
- 事業を拡大するタイミング
- 日常で必要になるお金を調達するとき
- 赤字を補填するとき
の3つでしょうね。
ただ、これ以外にも企業がお金を欲しい!って思う時は大量にあるので、本当に一概に言えません。
しかし僕が銀行で融資をしていて、お金を借りたい!って人は大体この三つで銀行に来てました。
資金調達は大きく分けて2種類ある
資金調達には大きく分けて2種類あります。
それが
デッドファイナンスと呼ばれる手法
と、
エクイティファイナンスと呼ばれる手法
えす。
ちょっと難しい感じがしますが、そんな難しくないのでご安心ください。
デッドファイナンスとは
デッドファイナンスとは、負債による資金の調達です。
上にある図は貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)と言って、企業が資産をいくら持ってるかを表す表です。
その右上に赤い所がありますよね?そこの右上部分を増やしてお金を調達するのがデッドファイナンスです。
もっと簡単に言えば、
銀行からお金を借りたり社債などを発行してお金を調達するのがデッドファイナンスになります。
なので銀行からの借金はデッドファイナンスと言われる手法に該当します。
中小企業はほぼほぼ間違いなくデッドファイナンス(=銀行借入)しか使ってないですね。経験上。
エクイティファイナンス
エクイティファイナンスとは、純資産の部を増やしてお金を調達する手法のことを言います。
とは言えそれだけだとなんのこっちゃ?って感じだと思います。
なのでよりかみ砕いて分かりやすく表現すると、
「株式を発行してお金を調達する方法」
がエクイティファイナンスになります。
なので、今回のソフトバンクの資金調達はエクイティファイナンスということになりますね。
https://www.nicokira.com/20191219softbank/
デッドファイナンス(銀行借入)とエクイティファイナンスの違い
今回ソフトバンクは株をIPOすることでお金を手にしました。
そう、つまりはエクイティファイナンスによってお金を調達したわけです。
……でも、なんでソフトバンクは銀行からお金を借りたり、社債を発行しなかったのでしょうか?
それはデッドファイナンスとエクイティファイナンスのには各種違いがあるからなのです。
”負債が増えるか否か”が違う
- デッドファイナンス……負債(借金)が増える
- エクイティファイナンス……資本が増えるので、負債は増えない
まず一つ目に、負債が増えるか増えないかに大きな違いがあります。
負債を増やしてお金を得るのか、それとも負債を増やさずに調達するのかを選択する訳です。
ソフトバンクを例にとると、あそこって17兆円も借金があるんですね、実は。
今回の株の売り出しでソフトバンクは2兆6千億円を手にしましたが、
これを借金で調達しようと思ったら、ソフトバンクの借金って20億円にも達しちゃうわけですよ。
これやっちゃうとソフトバンクの負債ががっつり増えちゃうので、それは避けたかったんじゃないかと推測してます。
”返済が必要か不要か”が違う
銀行からお金借りたら絶対返さなきゃじゃないですか。
でもIPOだとか、株を売り出して得たお金って、返さなくていいんですよ。
つまりは
- デッドファイナンス……返済する必要がある
- エクイティファイナンス……返済の義務はない
という決定的な違いがあります。
エクイティファイナンス、つまり株を買ってもらう場合、それはあくまでお客が投資してくれてるだけなので、返済の義務は無い訳です。
利益を大量に出した場合に株主還元として配当で還元していくだけでいいのです。まぁそれが難しんだけどね。
”お金を自由に使えるか使えないか”が違う
これ結構皆さんよくご存知無いんですけど、
実は銀行から借りたお金って、自由に使えないってご存知でした?
社債だと問題はないんですが、銀行から借りたお金はホントに自由に使えません。
そもそも借りる段階から、
銀行「これは何に使うんですか?いつ必要なんですか?いくら必要なんですか?どこに振り込むんですか?」
等と言うことを死ぬほど聞かれます。専門用語で資金使途と言うんですけどね。
まずこれをクリアしないと銀行の融資って受けられません。
もしそれをクリアして融資を受けたとしても、その後も領収書の提示が求められたり様々なことがあるので、
「銀行から借りたお金を定期預金にしちゃった☆」
「何に使うかわかんないけど取り合えず借りとこ☆」
みたいなことは不可能なんですね。もし仮にそれをやると銀行を敵に回します。
なので、
- デッドファイナンス(借入)……自由に使えない
- デッドファイナンス(社債)……自由に使える
- エクイティファイナンス……自由に使える
という違いがあったりします。
ちなみに:中小企業は殆ど銀行借入(デッド)で調達する
中小企業って、正直財務内容がしっかりしてない所が多いわけですよ。
そうなると株を発行して周りに買ってもらうだとか、上場して株を買ってもらうなんてもってのほかな訳です。
社債に関しても正直買いたい人なんて居ないじゃないですか?
なので大体が銀行借入での調達になります。
比率で言うと99.99%以上。これは覚えておいて損は無いかもしれません。
まとめ
デッドとエクイティという名は覚えておいて損が無い
さて、今回は資金調達について学習しました。
資金調達にはふたつあり、
- デッドファイナンス(負債による調達)
- エクイティファイナンス(資本金による調達)
があるとお話しました。
このデッドとエクイティという言葉は案外出てくるので、「負債とそうじゃない奴」ぐらいに覚えてて損はありません。
是非今回の知識を活かして日経新聞を読んでみてください。企業の資金調達の記事とかが少し面白くなりますよ!
さて、それでは今回はこの辺りで失礼をば!
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