「スルガ銀行の不正融資問題」という単語をあなたは聞いたことがありますか?
2018年の夏辺りに日本を震撼させた問題なので、聞き覚えがある人が殆どだと思います。連日報道されてましたからね。
ただあの不正事件、「何が悪かったのか」「何故こんなに問題になっているのか」ついて皆さんはご存知でしょうか?
正直、
「スルガ銀行がやべーことしたんだな」
ぐらいの認識の方が結構いるんじゃないですかね?
就活や社会人生活において必須の知識である時事問題。
少々時期は遅れてしまいましたが、スルガ銀行の不正融資問題について解説をしていこうと思います。
前回記事
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まず初めに結論から
まずスルガ銀行が何をしたかを一言で言うと、スルガ銀行は
書類を偽造して、金を貸してはならない人にお金を貸した
から問題になっているのです。そしてそのお金が返って来ないという事態になっています。
シンプルかつ単純ではありますが、銀行が絶対にやってはならないことの一つをやってしまったわけです。
①今回の融資の構造
誰が誰からお金を借りたのか
始めに、誰が誰からお金を借りたのか?をはっきりさせておきましょう。下の図を見てください。
銀行がお金を貸したのはこの投資家と呼ばれる個人の方々。不動産屋ではありません。
つまりはこの記事を読んでいるアナタとまったく同じような人に銀行はお金を貸した訳です。
なので、投資家が銀行にお金を返す必要がある訳です。再度言いますが、不動産屋ではありません。
サブリース問題等の関わって来るので、本来なら不動産屋についても語る必要があるのですが、そこは次回解説いたします。
ここを理解した上で次に行きましょう。
※次回解説記事
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②今回の融資はアパートローンと呼ばれる融資
今回スルガ銀行は「投資用不動産」と言われるものにお金を出しました。
これはアパートローン(APローン、アパロンとも)と呼ばれる融資で、このアパートローンを行うためには数多くの制約を乗り越える必要があります。
詳しく語ると相当難しくなるので割愛しますが、大量に制約がある理由は
お金を借りた人が真っ当に事業をして、ちゃんとお金を返してくれるかを審査するため
なんですね。金が返って来ない相手にお金を貸すのは溝にお金を捨てているのと何ら変わりありませんからね。
なのでここの制約はしっかり守らねばなりません。そうじゃないとお金が返って来ないからです。
しかしスルガ銀行は今回、この”審査”を誤魔化してお金を貸しました。
なので不正融資と言われており、尚且つお金が返って来ないという事態になっているのです。
③銀行の審査に嘘をついてお金を貸した
銀行にはお金を貸して良いかの判断を行う、審査部門というものが存在します。
アパートローンは金額が大きい(一億円以上がザラ)ですから、ほぼ間違いなくその審査部門の許可を得て融資をしなければなりません。
なので恐らくスルガ銀行の担当者も審査部門にお金を貸していいかのお伺いを立てています。
が。
今回審査部門に現場が提出したのは「巧妙に偽造された、本物っぽい書類」だったのです。
そう、所謂私文書偽造と呼ばれる犯罪行為。それを現場は行っていた訳ですね。
詳しく語るとスルガの内部の問題などが入って長くなるので割愛しますが、
審査部門はこの偽造文章が偽物であることを見抜き切れず、お金を貸す許可を出してしまっていたのです。
そうやって嘘の書類で審査部門を騙し、お金を貸していたというのが今回の問題点の一つになります。
④書類の偽造を行い、融資をしていた
アパートローンでとても大切な書類を偽造していた
先に述べたアパートローンと呼ばれるものは、審査に様々な書類を用意します。
その中の一つに「収支算定表※」と呼ばれるものがあり、これがアパートローンを出すとき最も重要になります。
※名称は銀行によって異なるかもしれませんが。
これは何のための書類かと言うと、そのアパートにお金を投資して、本当に利益が出るのかを徹底的に検証するための書類になります。
つまりは儲かるか儲からないかを検証する大事な書類です。
なのでこれの収支がプラスにならなければ融資する意味が無い訳です。
しかし、スルガ銀行はこの書類で良い結果が出るように数値を改ざんをしていたのです。
具体的には「客の所得額や預金残高を改ざん」していた
収支算定表は
- いくらお金が入ってきて(給料や賃貸料)
- いくらお金が出ていくのか(生活費やお金の返済)
を確かめて、利益が出るかを検討するためのものなのですが、
そのお金がいくら入って来るのか?の部分をスルガ銀行は改ざんしていたのです。
具体的には
- 客の通帳のコピーに一桁追加して1000万円の残高を1億円に見せかける
- 年収が100万円しかないのに、これまた一桁追加して1000万円あるように見せかける
などの誤魔化しをして審査部門に申請していたのです。
でも良く考えてみてください。
お金を大して持っていない、本来なら銀行が求める基準に達していないような方が、1億だとか2億円だとかいう大金を借りて返すことが出来ると思いますか?
例えて言うなら「年収200万円の人がベンツを買ってお金を返せる!」と言ってるようなものです。
普通なら無理ですよね。そして今回も無理だったわけです。
⑤そして不正発覚へ
審査をゆるゆるにしたせいで、「お金を返せない!」という人が続出。
そしてスルガ銀行が不正にお金を貸していたことが発覚致しました。
そりゃそうですよね。本来返済することの出来る能力が無い人にお金を貸していたんだから、当然返せるはずもありません。当然の結果です。
正確にはここに「サブリース会社」という存在が居たことが事件をややこしくしているのですが、その解説をすると非常に長くなるので、その解説は次回行いたいと思います。
とにかく、
審査を甘くして本来貸してはならない人にもお金を貸していたので、お金が返って来ないという事態が発覚した。
というのが今回の事件の概要、まとめになります。
まとめ
さて、スルガ銀行の不正融資問題のまとめ、いかがだったでしょうか?
貸しちゃダメな人に金を貸したので金が返って来なくなったというのが事の顛末ですが、
実はこの問題はまだ奥が深く、今回の解説では語り切れていない所が多々ございます。
今回は分かりやすさを優先したので、「サブリース」「かぼちゃの馬車」問題等には触れませんでしたからね。
次回は「かぼちゃの馬車問題とサブリース」について深く、しかし分かりやすく語っていこうと思いますので、是非ご覧ください!
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