今も昔も、銀行っていうのは物凄く人気のある就職先です。
銀行員は優秀で高級取りで安定してて優秀。そんなイメージが溢れているためか、金融業界の厳しい現状を知っても就職したい学生が後を絶たないわけです。
私もそんな愚かな人間の一人で(ちゃんと考えがあって入ろうとしている方はごめんなさい)、よく考えもせずに「地元に近い」「給料が良いらしい」「規模がデカい」という理由で選択してしまいました。
そうして今めちゃくそ後悔しているので、皆様には同じ轍を踏んでいただきたくなく、この文を綴ろうと思います。
現在社会人の方は「へー。銀行ってこんな面倒なんだ」なんてことを思っていただいて、銀行員が何もせず高い給料を得ているだけじゃないということを理解いただければ幸いです。
そして現在学生の方は、銀行によってうちの銀行より多少マシだったりそれ以下だったりはするでしょうが、銀行の面倒くささ、クソさはどこに行ってもこんな感じであるということを理解していただき、就活の理解の参考にしていただければ幸いです。
でもまぁ最初に一言だけ言っとくわ。
地銀はね、クソだよ(震え)
※写真はうちに全く関係ないので悪しからず。
銀行のクソな所その壱:やたらと細かい
銀行で書類を書いたことがある人ならわかるかもしれませんが、
銀行って本当にクッソ細かいです。
例えばなんですけど、下の画像をご覧ください。
このように記入ミスをしてしまったとしましょう(東じゃなくて書くべきは西だったとか)。
皆様の会社だとどうされてますか?もしくは学生の方。どうされてます?
多分黒の二本線で訂正して、上に朱書きすればいいとかそんな感じですかね。もしくは黒で訂正するとか。
しかし、銀行は違います。
二本線で訂正をしてもらった後、その上に訂正印を貰って、尚且つお客自信に正しい物を書き直してもらう必要があります。
↑こんな感じですね。
これが一か所でも漏れると重大な不備として扱われ、その書類は正当なものとして扱えず、処理ができないという状況が生まれます。
お客さんが帰った後に不備に気が付いた!なんて事になったらもう大変です。
お客さんに連絡をしてちゃんとした書類を徴求(ちょうきゅうと読む。金融業界用語らしい)出来るまで電話し続けます。もしくは直接訪問したりもします。
これはマジです。「こんなんこっちで直せばいいだろ……」とか本気で思いますが、それは許されません。
銀行員が代筆をするというのは銀行の中でもやっちゃいけないタブーのトップクラスに君臨するので、絶対に出来ないのです。
銀行に入って数か月はこれに慣れるのにめちゃくちゃ苦労しました。ホントにくだらないことで訂正印が必要になるんですよマジで。
速くタブレット化しろよ……。
その弐:事務量がやたらと馬鹿みたいに多い
事務量の多さはマジで異常です。
例えば新規口座を一個作るとしましょう。
最近だとタブレットで作れる銀行が多くなってきているみたいですが、うちは今だに紙ベースで事務を行っているので、ちょっと一例に出してみます。
まずお客さんから貰う書類が三枚あります。
三枚と聞くと大したことないように思えるかもしれませんが、表裏に銀行員が補記しなければいけない所が大量にあったり、新規口座の申込用紙が複写式なので、その一個一個に記入しなければならない所があったりして、その三枚だけで事務量は多量にあります。
その補記箇所が漏れていると銀行員お得意の不備になりますし、お客さんの記入箇所がミスってたりとかしたらもう考えたくないですね。
結構皆記入ミスるんだよなぁ……。なんで自分の家の住所間違うんだよマジで……。名前の漢字が違うなんてこともあるしさ……。
記入してもらった後はお客さんの間違い探しとこちらの補記を済ませて、お客さんが反社会的勢力じゃないことを確認します。
確認すると紙が一枚増えます。書類パラダイスです。
そして面倒くさいオペレーションをして通帳を作るのですが、この際に通帳を作るためにまた一枚紙が増えます。書類が大好きなんです、銀行員は。
ちなみにこのオペレーションをミスると紙が三枚ぐらい増えます。もはや銀行は紙と添い遂げればいいんじゃないかな。
更に他の支店でもう既に口座を持ってる!って人が居たとすると、更に事務処理が増えて、紙がまた一枚増えます。
そしてその紙を上司が見やすいように整えて(これクッソ面倒)検印に回します。
どんなに少なくても書類は5枚必要で、補記も死ぬほど入ります。
どんなベテランでもここまで30分はかかります。
でも大体は訂正印の嵐だったり、何かいてあるか読めなくて鉛筆で補記(ボールペンで補記は殺される)したり、上司の小言を頂いたりしてもっと掛かります。
面倒なお客だと一時間かかることも普通にあります。
ネットで口座が作れる時代だというのに、
5枚(実質10枚以上の量がある)もの書類を貰って、軽く30分以上かかるような処理を毎日10人以上は受け付けているわけです。
ちょっと実感が伝わりにくいと思いますが、今度銀行で口座を作るときは意識してみてください。
「あいつら、窓口が空いてるのになんで呼ばねえんだよ。もっとどんどんお客さんを呼べよ」とか思わないように!
銀行のクソな所その弐:事務量がやたらと馬鹿みたいに多い②
新規の口座を作るのにそれだけ面倒なんです。
だというのにまして「投資信託」なんて商品を売ってしまった日には、事務量がカンストします。
申込用紙を受け付ける段階で新規預金口座の数倍の事務量になるのに加えて、ネットワーク上にプロセスなる産業廃棄物を残さなければなりません。
申込用紙を受け付ける段階で事務量が新規口座の数倍になることはまぁ良しとしよう。
チェックリスト(1枚作成に数分はかかる)のチェックの位置が1個漏れてただけで1から全部書き直しみたいなふざけたことがあったりするし、
FAXを送り間違えると証券事故になって銀行が損失を補填しなければならなくなったりするけど、まぁそれはいいんだ。
問題はプロセスとかいう産業廃棄物なんだ。
産業廃棄物:プロセス
プロセスっていうのは文字通り過程を意味していて、
- お客さんとどんなやり取りをして、
- どんな風にその商品を売ったか
っていうのを事細かに残していくためのものです。
これは「悪徳商品を売りつけられた!」とかの裁判沙汰とかになった時に証拠として必要なものなんだけど……。
これが本当に面倒くさいんだわ。
『「この商品は○○と○○で運用しているから、為替によって元本割れする可能性があるのね。以前投資信託をやっていたことがあるので、リスクに関しては十分理解しています。」との発言より理解力十分と判断。申し込みを受け付けした。』
みたいな感じがテンプレ。
例えお客さんが
「貴方を信用して買うことにするわ!」
とか言っても銀行にとって裁判で不利になりそうな言葉は絶対に残しちゃだめだし、
形式から外れていたら何回でも突っ返されます。
※形式から外れる……例えば「」を使うときは「~~。」みたいに何故か読点を入れなければならないとか。
たまにお客さんが全く何も喋っていないのに勝手に「こう話していました!」みたいな感じでぶち込むこともあります。
お客が言っているかどうかは全く関係なく、うちの銀行が裁判で負けないために残す、数百文字の意味のない文章がこれです。
必要なのはわかるんだけどさ、やたらこまけぇし、やたら面倒くさい。
本当にもっと簡易化しろよって思うわ。
銀行のクソな所その参:至る所が体育会系
例えば飲み会
銀行員ってどんなイメージがありますか?
クールで知的で、事務を一切間違わないとかそんなイメージがあるでしょうか。
実際はそんなこと一切ありません。
事務は良く間違うし、クールで知的どころか、
ねちっこくてクッソ体育会系のノリだらけです。
飲み会。一年目から三年目が基本的に仕切って開催しますが、大体何をしようが怒られます。
何をしようが「段取りが悪い」だの「店のチョイスが分かってない」だの、色々言われます。
まぁそれを言われるのは仕方がないんだけどさ。だったらイイ感じの店とか教えてくれよって話なんすよね……。段取りも納得いくようにセッティングされたものを一回見せてくれよって……。
最近は言われることを割り切って色々セッティングしてますが、飲み会のたびに「めんどくせぇ……」って切に思ってます。
最近だと上司から「よう中学生。チンゲ生えたか」って言われました。いや、小学生かよ……。
支払いは大体一年目がする
あと飲み会の会計は
- 一年目とかが全額会計して
- 次の日の朝一に傾斜(上の人が多く払うように額を調整すること)を付けて皆から徴収
します。
これがクッソ面倒くさいwwwそのばで会計しろよってマジで思います。
速くJ-コインが実装されてくれないものか。あれ実装されてくれれば飲み会クッソ楽になるというのに。
まぁ私はお酒が好きで一人でも飲んでいるような阿呆なので、飲み会自体には抵抗感が無いのですが、お酒がそんなに好きじゃない人にとっては結構地獄だと思います。
大きい飲み会の場合は大体三次会ぐらいまで行きますし。
寝ないで仕事をして当たり前。「飲み会の後勉強して翌日出勤ぐらい俺はしていた」
飲み会時の定番の話です。こういうことを平気で言ってくる奴が、下手すると三年目の行員あたりから居ます。
銀行員は本当に仕事において覚えなきゃいけないことが死ぬほどあるので、勉強しなきゃいけないことってクソほどあります。
ですが、同時に飲み会も結構多いです。そのため勉強しようにもへべれけ状態ってことが多々あります。
でもその後勉強して勤務していたっていう人間が結構多いらしく、飲み会だとそれが美談になります。
上に行っている優秀な人ほどその傾向が強いので、中々に質が悪いところ。
昼休憩?俺らが取ってないのにお前は行くの?
性格が悪いやつだと普通に言ってきます。
「俺ら稼ぎ頭が行ってないのに、てめぇらはいくの?中々見上げた根性じゃん」的な発言を普通にしてきます。
結構コンプライアンスに触れそうな発言ですが、まかり通るのが銀行の良いところ(笑)
「昼食をとらずに仕事するのが美学」的な考えが本当に蔓延しているので手が付けられないですね。
ちなみに、忙しい店舗で融資や営業になった場合、本当に全然昼食が取れないことがあります。忙しすぎて。
銀行のクソな所その肆:融資至上主義
人によりけりではありますが、この傾向は非常に強い。
融資とは銀行の花形で、銀行の大本である「金貸し」の仕事をしている部署です。
メガバンクの総合職とかを受けていた方々だと想像がつきにくいかもしれませんが、銀行の一つの支店でも融資はガンガン行っています。
大企業向け、とかではありませんが、それでも尚数億円、数百億音という額を一つの支店では扱っています。
メガの首都圏の貸金とか言ったら数千億で扱っているかもしれません。
そして銀行の収益を支えているのは融資であり、貸出金利息で我々は飯を食っています。
最近は日銀のマイナス金利のせいでクッソ低金利時代を迎えており、銀行がただ融資をするだけでは食べていけない時代がやってきていますが、それでも融資が凄いという風潮は変わりません。
地方銀行に入ったとしたら、多分全部が全部そんな感じだと思われます。
うちの支店がかなり独特で、全支店の中でもトップクラスに糞過ぎる上司が居るというのもありますが、よく「営業は敵だ」と上司は宣ってました。何様なんでしょうね。
銀行のクソな所その伍 :地域行事にやたら参加させられて休日が潰れる
地方銀行ならではでしょうが、
地域行事が凄まじい数で存在します。
それこそ地銀は地域貢献を売りにして営業をしているので、
地域行事への参加は必須
的な考えかたがあります。
というよりその考えかたしかありません。
私は
- 祭りで太鼓をたたかされて土日が三週間連続ぐらいで潰れてみたり、
- 裸で提灯を持ちながら町を闊歩する祭りに参加させられて死にそうになったり
など、各種拷問にも等しい行事にも積極的に参加してきました。
というよりさせられてきました。
そしてこれは若手のうちは逃れられません。よっぽどの度胸がある方なら問題ないと思いますが、私にはちょっと荷が重い(笑)
銀行員は暦通りに休めますし、残業も(融資担当とかにならなければ)中小ブラック企業や電通みたいに多い訳ではありませんが、
土日が残業代無しのサービス残業みたいな形で潰れることが多い
ことはしっかり理解をしておくべきポイントですね。
銀行のクソな所その陸:若手のうちの給料はスズメの涙
給料が!雀の涙だよぉ!
本当に若いうちは少ないです。
いや、ボーナスが出ない!とか福利厚生が全く整ってない!みたいな感じの職業の方と比べたら全然なのかもしれないけど、それでも三年目までは全然稼げないのが現状です。
ボーナスは一か月分だし、手取りも18万ぐらいです。
これだけ聞くと悪くなく聞こえるかもしれないですが、実際は飲み会で三次会とかまで連れていかれると結構ゴリゴリ金が減りまして、中々金は貯まりません。
三次会とかまで行くと傾斜(上が多く払う仕組み)が殆ど無くなってくるんですよね。行きたいって言ってるのは上なのに(笑)
しかも昇格に必要な資格試験の受験費用が完全に個人負担です。2ヶ月に一回ぐらいのペースで1万円近くの金が強制的に飛んでいきます。
なので実質の手取りだとかなり低くなります(笑)
銀行のクソな所その漆:昇格のタイミングが完全に定められている
銀行は
「あいつはすげぇ優秀だから、二年で出世したらしい!」みたいなのが本当にありません。
何年目になると給料がいくらになって、この役職になるには何年かかるみたいなのが厳格に定まっています。
なので、バリバリ働いてバリバリ短期間で昇格したい!なんて人には正直向いていません。
そういった人は外資系のベンチャーとか、そういった所に行くことが求められますね。
まとめ
さて、簡単に銀行のクソな所をまとめてみました。
全部書くと多分一万文字を超えて余りあるなんてレベルじゃなくなるので、このぐらいにとどめておきましょう。
簡単に書くと
- 超体育会系で
- やたらと事務が細かくて厳しくて
- 若いうちはそれに対するインセンティブがとても少ない
というのが銀行です。
ただ、これを乗り越えれば相当に報酬はもらえて(30代で一千万は超える)、ふんぞり返ることができるので、上に行けば行くほど楽になっていきます。
なのでかなり厳しい環境を我慢して耐え抜けば、それに応じた価値は生まれてくるかもしれません。まぁ私はそう思いませんが。
さて、長くなりましたがここいらで終わりにしようと思います。
地銀に就職して、公開する若者が増えないことを心からお祈りし、まとめとしたいと思います。
もし地銀に努めていて、苦しい、という方へ
地銀は辞めても大丈夫。いくらでも次はある
実は現在、僕は地銀を退職してインターネット関係の仕事に携わっています。
やめることに関して、最初は凄い悩みました。
やっぱり銀行員は世間的に見ても素晴らしい職業ですし、そして何より金銭的に安定しています。
辞める時にどうしても僕は金銭面の不安を拭い去ることができず、胃が千切れそうなほど悩みに悩みまくりました。
が、ぶっちゃけ辞めて金銭的にきつくなったとか、後悔したことは正直一切ありません。
と思うことしかなかったりします。むしろ銀行に居たときより給料大分上がってますから、あのときの上司共ザマァって感じですね。
今の時代、銀行員を辞めたって稼げる方法は腐るほどあります。銀行員を辞めたからって、「この人素行に問題があるのでは?」と思われることなんて殆どないです。
辞めたいなら、辞めましょう。ただ、流石に辞めたあとのことはしっかり考えてからやめましょう。
もし辞めるなら、エージェントに頼ろう
僕が銀行員を辞めようと考えていた時は融資をやっていたんですが、
- 昼飯を食う時間がない
- 残業が終わって家に買えるのがほぼいつも10時以降
- 有給は取れるけど、突発的な案件で有給をずらす可能性がめちゃ高い
という情況で、エージェントに頼ることがほぼほぼ不可能でした。利用しましたが、
となってしまったので、利用を2週間ぐらいで断念しました。まじで僕の職場の僕の仕事は異常だったと思う。同期とか18時には帰ってんのに、僕だけ22時コースだからね。朝8時に出社してんのに。
ですが、使えるのなら転職エージェントは使うに越したことはありません。
案外転職先を探すのって労力がいります。腐るほどありますが、
- 自分にあった企業はどこなのか?
- 自分のスキルを活かせる企業があるのか?
- あったとしてその企業は良い企業なのか?
- 給与体系はどうなのか?
- 休みは取れるのか?
- 人事担当者とかとの日程調整はどうすればいいのか?
- どこから中途採用を申し込みすればいいのか?
- そもそも元銀行員をこの会社は雇いたいのか?
なんてのを仕事の合間にいちいち調べたいと思いますか?
少なくとも僕は思わないし、一切やりたいとは思わなかったです。「このくらい誰でもできるだろ……」って思うかもしれないですが、実体験としてこれめっちゃ大変ですからね?
転職っていうのはある意味で自分の精神との戦いだったりします。
今の職をやりながら、新しいことに挑戦していくのが転職なので、自分の精神には自分が今想像している以上の負担がかかると思っててください。
そんな情況で、日程調整とかのやり取りとか、自分のスキルならどの企業に行けるの……?なんて考えるの、きつくないですか?
そうなった場合、言い方はあれですが、面倒なことはエージェントに任せましょう。
おすすめはマイナビ金融AGENT
おすすめはマイナビ金融AGENT。金融業界の転職に詳しいエージェントが、忙しい皆さんに変わって転職の面倒な作業を代行してくれます。
転職エージェントは正直どこでも良いとは思っている派ではありますが、金融業界というのは結構特殊な職種です。
僕も法人融資をやってはいましたが、どう転職しようかどこに強みを持たせようかとか結構悩みました。なぜなら銀行員ってかなり特殊な職種で、すぐに他社で戦力になれるような職種ではないからです。
なので普通の職種の方であればエージェントはどこでも良いとは思いますが、銀行に居る皆様は銀行という特殊な業界を知っている専門的なエージェントを使ったほうが楽です。
転職は、如何にして自分にかかる負担を減らすかによって、精神の摩耗具合が大分違います。
普通のエージェントを選んで、銀行のことを何もわかっていない担当者がつけられてトンチンカンなことをされるのって微妙ですしイライラしかねないですよね?
どうせエージェントを使うなら、マイナビ金融AGENTのような、専門的なエージェントに仕事を任せてみるのはどうでしょうか?
もし転職を検討されているのなら、ぜひ話だけでも聞いてみてください。
銀行のその先で、お会いできることを心待ちにしております。
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